【Feature story】四徳温泉キャンプ場「からだとともに、心を動かす "ONSEN CAMP"」

四徳温泉キャンプ場(長野県上伊那郡中川村)

久保田雄大さん・米山達也さん(Waqua合同会社)

長野県上伊那郡中川村。「日本で最も美しい村」連合に加盟し、豊かな里山と多様な文化が息づく村としても知られるが、四徳温泉キャンプ場はまた別の面から、この村の魅力をみせてくれる。

じつは中川村、山林面積75%という森の村でもある。その一番奥に位置するのが四徳地区だ。隣の家まで5km、周囲10km四方には、店はおろか人家も2軒しかない。村の中心部を離れ、気づけばただひたすらに森、そして川。まぶしいほどの緑に抱かれた林道を車で走る、そのときから、もうキャンプ時間ははじまっている。

森と温泉でリフレッシュ&リラックス

Waqua(わくわ)合同会社の久保田雄大さんと米山達也さん。彼らが村からこの場所の管理を中川村から委託されたのは2015年のこと。自然を愛し、地球をあちこち旅した後、Uターンして山岳ガイドとして活躍していた久保田さん。ログビルダーの一家に生まれ、地元で百戦錬磨のウォーターガイドに明け暮れていた米山さん。南信州の自然が育んだ野生児二人が、この奥深き森と温泉に大きなエネルギーと可能性を感じ、仲間とともにキャンプ場運営を進めていった。

コンセプトは、「ONSEN CAMP - 生きる時間を取り戻す森の休日」。じつはこれ、これからの時代を生きる子どもたちはもちろん、日々忙しく働く大人たちに向けたメッセージでもあると久保田さんは話す。

「うちのお客様は、子どもに自然体験をさせたいと考えるファミリー層が多いんです。でも大人たちはというと、日々の忙しさからか、疲労しきった顔をされている人が多いんですよね。せっかくここに来たのなら、子どもといっしょに大人も思いっきりリラックスしてほしい。温泉とキャンプはそのための装置としてぴったりだと思うんです。

森の中にやってきて、薪の準備をしたり、道具を出したりと体を動かす。体を動かしながら、深呼吸して血がめぐる。火を見ていると、心もワクワク動いてくる。温泉にも入って、日が沈むころにはすっかりリラックスした顔になっているのを見かけたりすると、『そうそう、やっぱこれだよね』って、こちらもうれしくなるんです」


多様なキャンプサイトに、ログビルダーの遊び心が光るコテージも

ゆるやかな渓流ぞいの傾斜に広がるキャンプサイトは、35組限定。AC電源付きのハイスペックな「あんしんオートサイト」から、水を汲み、薪を集めて直火の焚き火、あえて不便を楽しむ「フォレストサイト」まで、フィールドは多種多様。それぞれのサイトに「ここじゃなきゃ!」と熱望するファンがついているというから面白い。

コテージ・キャビンは全部で5棟。米山さんがリノベーションを手がけた2棟のコテージ「片耳の大シカ」「やまねのねぐら」はとくに人気だ。使っている丸太は、全てキャンプ場周辺の森を自ら伐採し、この場所でチェーンソーで加工して組んだもの。本物が作り出す贅沢な空間は、特別な時間を生みだしてくれる。

そして今年は村内に暮らす木工作家「タカギカグ」制作のモバイルタイニーハウス「コロコヤ」を利用できる「コロコヤンピングサイト」も加わり、初心者にも安心の環境が整っている。

新設したシェアオフィスにはカフェも隣接。「疲れたら川に浸かるのもおすすめです」

さらにキャンパーたちを迎えるセンターハウス「ゆ家」の充実も、四徳温泉キャンプ場の大きな魅力だろう。

テントを張り、ひと段落したらまずは温泉。強アルカリ泉のお湯でお肌ツルツルになったあとはこだわりのカフェスペースに立ち寄り、ずらり揃った長野県産のクラフトビールで乾杯!

常連のキャンパーたちには、そんなルーティンが定着しつつある。

そしてもう一つ、南信州キャンプセッションの立ち上げと同時に、センターハウスの「ゆ家」には新しい顔が加わった。

それは「平日シェアオフィス」。Wi-fiとワークデスクを完備したワークスペースを用意し、平日のリモートワーカーたちに利用してもらおうという考えだ。じつは先ほど登場した「コロコヤンピングサイト」にもWi-fiが完備されていて、平日はシェアオフィスの一部として利用できるようになっている。

小さな個室空間は、オンライン会議などにもぴったり。デスクワークに疲れたら、カフェでドリンクやソフトクリームなどもオーダーもできる。

「川にざぶんと浸かってみたり、散策するのもリフレッシュになりますよ」(久保田さん)

オンとオフの壁を取り払った環境のなか、斬新なアイデアも生まれそうだ。

なんと、四徳温泉キャンプ場では、平日を絡めて2泊以上すると、2日目以降ずっと宿泊料金が半額になるサービス「平日れんぱく割」を繁忙期の8月以外の全期間において実施している。仕事もケアしながら、長期滞在を考えるキャンパーには嬉しいサービスだ。

「僕たちがここで働き続けているのは、単純にここが気持ちいいから。こんな環境は他にはない。ポジティブでいられるから、まだまだやりたいことがありすぎて、ワクワクがずっと止まらなくなっています」と二人は語る。

「なるべく長く過ごしてみてほしい。森の中で2〜3日を過ごして家に帰ると、確実に感覚が違っている。同じ村でも空気の違いを感じたり、大都会に感じてしまったり」(米山さん)

「自然の中に数日間いると、季節が移ろっていくのを感じられるようになります。森の生き物たちの動きにも、毎日少しづつ違いを感じたり。この地球で生きていくうえで、そういう感覚を一度でももったことがある人生と、ない人生はやっぱり違うと思うから」(久保田さん)

二人と話していると、生きる力を取り戻すとはこういうことか、と腑に落ちた。

週末はなかなか予約が取れなくて有名な四徳温泉キャンプ場。

平日から滞在してみると、実は一番その魅力を感じられるのかもしれない。


取材・文:玉木美企子

写真:大石将平 関 暁 久保田雄大


Access

四徳温泉キャンプ場

http://shitoku.net

住所:〒399-3804 長野県上伊那郡 中川村四徳542

電話:0265-88-3929

お車でお越しの場合

◯ 東京方面から

中央自動車道駒ヶ根インター → 県道210号 約40分

◯ 名古屋方面から

中央道松川IC → 県道59号 約30分



Info

カフェ

クラフトビール、コーヒー、ソフトクリームなどを提供している。

(ランチ営業は基本していません。)

ワーキングスペース①

シェアオフィス(ゆ家お座敷)・ウッドデッキ

利用料金:無料

利用時間: 平日(日〜金)10:00-18:00

予約できません。オンライン会議など音のでる作業はできません。

キャンプ場のスタッフ、他のお客様が多目的に利用する場所であることをご了承ください。

ゆ家のウッドデッキは、営業時間が終わっても自由にご利用いただけます。

ワーキングスペース②

個室ワーキングスペース(コロコヤ・コテージ)

料金: 300円 / 1時間 / 人

長時間で集中したい時、電話を含むお仕事、オンライン会議などはこちらでどうぞ。宿泊予約が入っている場合はご利用できません。


Activity

平日アクティビティ

テントサウナ体験プラン ¥6,000 ~(要予約)

Surrounding area

周辺情報


中川村レストラン情報

https://nakagawa-village.life/food_stay/


中川村くだもの農園情報

季節ごとに旬な果物のもぎ取り観光が盛んです!

https://nakagawa-village.life/fruits/place/


中川村の酒蔵見学

地酒「今錦」を蔵にて直接買うことができます。

https://nakagawa-village.life/sake/


中川村移住情報

まずは、キャンプ場スタッフに聞いてみてください(半分は他県出身者です)

https://nakagawa-village.life/village/house/


中川村村営シェアオフィス

キャンプ場から距離がありますが、こちらも利用できます(要予約)

https://nakagawa-village.life/village/shareoffice/


中川村ショッピングセンター「チャオ」

生鮮食品スーパー / 地元産野菜果物加工品 / コインランドリー / コーヒーショップ / 100均 / 本屋 etc..  

http://www.n-ciao.com


中川村ハチ博物館(望岳荘)

「日本ミツバチの村」でもある中川村。蜂に関する驚きの展示物ばかり。

https://www.bougakusou.com/facilities.html#bee


望岳荘 

平日のお風呂はこちらへ

日帰り入浴は11:00~19:00(19:45閉館)

https://www.bougakusou.com/index.html


アーティストの村・中川村

美しい土地を求め、移り住んだアーティストが多い村。

なかなか工房を訪問することはできませんが、村のあちこちで彼らの作品に触れる機会もありそう。

https://nakagawa-village.life/artist/

http://open-atelier.net



Our Recommendation

スタッフのオススメ


テイクアウトなら

アドゥマン(アジアごはんとスパイスカレー)

https://www.instagram.com/adwuman_nagano/?hl=ja

五感をくすぐるスパイスカレー!大阪の人気店が7年前に中川村に移転。

カレーマニアが遠くから訪れる。火曜日だけのバインミーも超おすすめ。

テイクアウトは要電話予約。

カフェランチなら

Basecamp Coffee

https://basecampcoffee.wixsite.com/1445

四徳温泉キャンプ場から陣馬形山を登って、反対側におりた美里地区にあるCAFEです。

自家栽培の農作物による、スープカレー、スイーツがとても美味しく、店内の雰囲気もとても素敵です。

お蕎麦なら

するぎ農園

http://www.osk.janis.or.jp/~kindosan/index.htm

十割そばと山野草の天ぷら、山塩のおにぎり、水出しコーヒー。

そば屋ならIC周辺にもたくさんあるけど、、、これを食べにあえて山奥までいく価値はある。キャンプ場から約40分。さらにさらに奥の大鹿村にあるお店。大鹿の自然と空気と一緒に味わってほしい。メニューは本当にシンプル、派手さは全くないけど、どれも珠玉の一品。大豆から作った、大豆クリームと水出しコーヒーのセットは、Queen of 伊那谷スイーツ!(キャンプ場代表久保田認定)ベジタリアンにもおすすめのお店。

ローカルカルチャーと出会うなら

たろう屋

全てオーガニック、地元産の野菜や食品、地元アーティストの作品とも出会える。

展示や企画も行っている。人々の交差点。店主や、やってくる人々との会話を楽しむのも良いところ。

https://nakagawa-village.life/artist/detail.php?seq=27

南信州 CAMP session

キャンパーの聖地・南信州。長野県の南。伊那谷と木曽谷を中心とするこのエリアは、全国屈指の人気キャンプ場がひしめく、キャンパーたちの聖地。大自然、美味しい食材と水、星空、温泉、静けさ。求める理想がすべて揃ったこの土地で、ローカルな暮らしや人、カルチャーとのセッションが始まればきっと訪れるたびに、新しくて楽しい出会いがある。キャンプスタイルはライフスタイルに。サステナブルな未来をひらく旅へ出かけよう。

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